カニ殻で取る極上出汁の作り方|生臭さを消して濃厚な旨味を引き出す下処理とレシピ
調理時に清潔に取り置いたカニの殻で出汁を取る方法。乾煎りとオーブン焼きによる香ばしさの引き出し方、香味野菜と酒を使った生臭みの消し方、和風カニ汁から洋風ビスクまで活用法を紹介します。
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カニ殻のだしは、殻を焦がさず乾煎りし、水・昆布・酒・生姜と煮出す作り方がおすすめです。味噌汁や雑炊に使うなら和風、トマトと生クリームを加えるならビスク風にできます。
使うのは調理中に清潔な器具で外して取り置いた殻です。食卓で口を付けた殻や、長く室温に置いたものは集めて使いません。
殻に残った身と香ばしさをだしへ
殻の内側に残った身や膜も、だしに使えます。殻を焼く工程は香ばしさを加えるためで、焦げるほど濃くなるわけではありません。薄く感じる場合は水量を控え、昆布や香味野菜を合わせます。
使うまで冷蔵し、異臭のある殻は除く
取り置いた殻は清潔な容器で冷蔵し、材料の期限内に早めに使います。異臭やぬめりのあるものは、酒や香味野菜で臭いを隠して使いません。
出汁取り前の下準備:殻の洗浄と部位の選別
美味しい出汁を取るためには、調理前の下準備が非常に重要です。以下の手順で下準備を行いましょう。
1. エラ(ガニ)を完全に取り除く
カニの甲羅の内側にある灰色のビラビラした組織(エラ、通称ガニ)は、呼吸器官のエラです。通常の下処理で外す部分なので、出汁を取る際は必ず丁寧に取り除いて破棄してください。食べてよい部位の詳細は カニのさばき方|脚・爪・肩肉の殻の切り方とガニの外し方 を確認してください。
2. 水洗いして汚れや余分な塩分を落とす
ボイルガニの殻には表面に強い塩分が付着しています。そのまま煮出すと出汁が塩辛くなりすぎてしまうため、ザルに入れて流水でサッと洗い、キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取ります。
3. ハサミや麺棒で殻を細かく砕く
殻を大きな塊のまま煮出すと、殻の内側にある旨味成分がスープに溶け出しにくくなります。キッチンバサミで2〜3センチ角に細かく切るか、切って内側を露出させておくと、煮出しやすくなります。細い足先の使い道は カニの足先の食べ方|味噌汁・炊き込みご飯への使い方と保存 でも紹介しています。
レシピ1:和食の真髄「黄金の和風カニ出汁」
お吸い物、カニ雑炊、カニ鍋の追い出汁、うどんのつゆに活用できる、上品で澄んだ和風出汁の取り方です。
材料
- カニの殻(脚、肩、甲羅など):200〜300g
- 水:1,000ml
- 昆布:10g
- 日本酒:大さじ2
- 生姜スライス:2枚
- 長ネギの青い部分:1本分
手順
- フライパンで乾煎りする: 油を引かないフライパンに砕いたカニ殻を入れ、中火で焦がさないようにじっくり炒めます。殻から水分が抜け、パチパチと音がして赤みが強くなり、香ばしい焼きガニの香りが立ちのぼるまで5〜7分ほど炒めます。
- 煮出し: 鍋に水、昆布、酒、生姜、ネギ、そして乾煎りしたカニ殻を入れて中火にかけます。
- アク取り: 沸騰直前に昆布を取り出します。沸騰すると表面に灰色の細かいアクが大量に浮いてきますので、お玉で丁寧にすくい取ります。
- 弱火で抽出: アクを取り除いたら弱火(フツフツと波打つ程度)に落とし、蓋をせずに15〜20分間静かに煮出します。強火で煮立てるとスープが濁り、雑味が出てしまうので注意してください。
- 濾(こ)す: 目の細かいザルにキッチンペーパーを敷き、静かにスープを濾します。黄金色に輝く香り高いカニ出汁の完成です。
この出汁を使って作るカニ雑炊は格別の味わいです。詳しい雑炊の作り方は カニ雑炊の作り方|ご飯と卵の入れ方・薬味で楽しむ5つの味 をご覧ください。
レシピ2:洋風レストランの味「濃厚カニビスク(甲殻類スープ)」
カニの殻を香味野菜やトマトと一緒に炒めて煮詰め、生クリームで仕上げるフランス料理伝統のスープ「ビスク」です。
材料
- カニの殻:300g
- 玉ねぎ(薄切り):1/2個
- 人参(薄切り):1/4本
- セロリ(薄切り):1/3本
- ニンニク(みじん切り):1片
- オリーブオイル:大さじ1
- バター:15g
- トマトペースト:大さじ2
- 白ワイン:50ml
- 水:600ml
- ローリエ:1枚
- 生クリーム:50ml
- 塩・黒胡椒:適量
手順
- オーブンまたはフライパンでロースト: カニ殻を天板に広げ、200度のオーブンで15分ほどしっかり焼き色をつけます(フライパンで強めに炒めても可)。
- 香味野菜を炒める: 厚手の鍋にオリーブオイルとニンニクを熱し、玉ねぎ、人参、セロリをしんなりするまで炒めます。
- 殻とトマトを合わせる: 焼いたカニ殻を鍋に加え、トマトペーストを入れて全体を炒め合わせます。焦がさないよう炒め、トマトの香りをなじませます。
- 白ワインと水で煮込む: 白ワインを回し入れ、アルコールを飛ばしたら、水とローリエを加えます。沸騰したら弱火にし、アクを取りながら25〜30分じっくり煮込みます。
- しっかり漉して仕上げる: 目の細かい漉し器でスープを濾し、細かな殻を取り除きます。鍋に戻して弱火にかけ、生クリームとバターを溶かし入れ、塩・黒胡椒で味を調えます。パンやワイン(カニ料理に合うワインの選び方|白・泡・軽めの赤と部位別ペアリング)に調和する上質なビスクが完成します。
だしは早めに使い、小分けで冷やす
取っただしは浅い容器へ分けて速やかに冷却し、冷蔵します。材料の保存状態や調理環境が違うため、家庭のだしに一律の安全な日数は設けず、早めに使います。
すぐ使わない分は、冷凍用容器へ一回分ずつ分けます。凍らせても冷却前の温度管理はやり直せないため、鍋に長く置いたものを保存へ回さないようにします。余ったカニの保存も参考になります。
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