カニのオスとメスの違い|見分け方・味・値段とどちらを選ぶか
カニのオスとメスは、お腹の「ふんどし」の形で見分けられます。ズワイガニ・毛ガニ・ワタリガニなど種類ごとの雌雄の違い、大きさと味の差、内子・外子、値段、メスが売られていないカニがある理由を解説します。
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オスとメスはお腹で見分ける
カニのオスとメスは、ひっくり返してお腹を見ると見分けられます。お腹の中央にある、折りたたまれた部分(腹部。「ふんどし」「はかま」などと呼ばれます)の形が違うのです。
| 見分ける点 | オス | メス |
|---|---|---|
| ふんどしの形 | 細長い三角形で幅が狭い | 幅が広く丸みがある |
| お腹の中 | 細い交尾用の付属肢がある | 卵を抱えるための毛の生えた付属肢がある |
| ハサミ | 大きく発達しやすい | 比較的小さい |
メスのふんどしが広いのは、産んだ卵をお腹に抱えて守るためです。卵を抱えたメスのふんどしをめくると、たくさんの粒がびっしり付いているのが見えます。これが「外子(そとこ)」です。
脚だけの商品やむき身では、ふんどしがないので雌雄は分かりません。雌雄が気になる場合は、商品名や説明の「雄」「雌」の表記を確認します。
味噌も食べる場合は、種類や加熱表示を確かめたうえで、身と和える方法や甲羅焼きも選べます。カニ味噌の食べ方では、味付けや作る順番も扱っています。
ズワイガニはオスとメスで別物のように違う

オスとメスの差がいちばん大きいのが、ズワイガニです。京都府の解説によると、オスは甲羅の幅が約15cmにもなるのに対し、メスは7〜8cm程度です。大きさがあまりに違うので、市場ではまるで別の種類のように扱われ、名前も分かれています。
| 比べる点 | オス | メス |
|---|---|---|
| 呼び名の例 | 松葉ガニ、越前がに、加能ガニ、間人ガニ | セコガニ、せいこがに、香箱ガニ、親ガニ、コッペガニ |
| 大きさ(甲羅の幅) | 約15cmになる | 7〜8cm程度 |
| 主に楽しむ部分 | 脚と肩の身、カニ味噌 | 内子、外子、カニ味噌、少しの身 |
| 漁期(日本海西部の例) | 11月6日〜翌年3月20日 | 11月6日〜12月31日(石川県は12月29日まで) |
| 値段の傾向 | 高め。大型・タグ付きはさらに高い | 手ごろなことが多い |
大きさの差が生まれるのは、脱皮のしかたが違うからです。京都府の解説では、メスは10回の脱皮で11齢期になると産卵を始め、その後は脱皮しません。オスは10齢から13齢まで、どこで最後の脱皮をするかに個体差があり、長く脱皮を続けたオスほど大きくなります。メスの呼び名や食べ方はセコガニ・セイコガニ・香箱ガニの違いで詳しく紹介しています。
毛ガニはオスしか売られていない
毛ガニは、市場に出回るのがすべてオスです。北海道では資源を守るため、北海道海面漁業調整規則で、メスの毛ガニと、甲羅の長さが8cm未満のオスを獲ることが禁止されています。網などに入っても海へ戻されるため、メスの毛ガニを食べる機会はありません。
ズワイガニのようにメスの卵を楽しむ食べ方がないのは、このためです。毛ガニを選ぶときは、雌雄ではなく、大きさと身入り(殻の硬さ)を見て選びます。詳しくは毛ガニとは?をご覧ください。
ワタリガニは季節で雌雄を選ぶ
ワタリガニ(標準和名ガザミ)は、オスもメスも売られていて、季節によって好まれる性別が変わるカニです。
- メス:成熟すると甲羅の中の卵巣(内子)が発達し、加熱するとオレンジ色に固まって濃い味わいになります。秋から冬にかけてのメスが好まれることが多いとされます。
- オス:身がしっかり詰まっていて、身の甘さを楽しめます。夏から秋にかけてのオスが好まれることが多いとされます。
産地や漁の時期によって違いがあるので、買うときは店で「今はオスとメスのどちらがおすすめか」を聞いてみるのもよいでしょう。ワタリガニのふんどしも、オスは細くとがり、メスは幅広く丸い形なので、店頭で見分けられます。詳しくはワタリガニ(ガザミ)とは?をご覧ください。
タラバガニの雌雄
タラバガニは、甲羅を外して脚(肩)の状態で流通することが多く、店頭で雌雄を意識することはあまりありません。国立科学博物館は、タラバガニのメスのお腹が右にねじれていることを、ヤドカリに近い仲間であることを示す特徴として挙げています。
姿のタラバガニを見る機会があれば、お腹の形に注目してみると、ほかのカニとの違いが分かります。詳しくはタラバガニは「カニ」ではない?で紹介しています。
味の違いと選び方
オスとメスのどちらがおいしいかは、何を食べたいかで決まります。
| 楽しみたいこと | 選びやすい性別 | 選びやすいカニの例 |
|---|---|---|
| 脚の太い身をたっぷり | オス | ズワイガニのオス、毛ガニ |
| 内子や外子の味 | メス | ズワイガニのメス、ワタリガニのメス |
| 手ごろな値段で冬の味覚 | メス | セコガニ、香箱ガニなど |
| カニ味噌 | どちらも | 毛ガニ、ズワイガニの姿 |
メスのズワイガニは、1杯の身の量はオスよりずっと少ないものの、内子、外子、カニ味噌を一度に楽しめます。オスは身の量と食べ応えが魅力です。食卓の主役として量を楽しみたいならオス、いろいろな味を少しずつ楽しみたいならメス、と考えると選びやすくなります。
冬の日本海の産地では、オスとメスを両方並べて食べ比べる楽しみ方もあります。メスの漁期は年末までなので、両方を味わいたいなら11月から12月に予定を組むのが目安です。
さばき方と食べ方の違い
オスとメスでは、食べる部分が違うので、さばき方の順番も少し変わります。
オス(ズワイガニ・毛ガニなど) 1. 脚を付け根から外し、殻に切り込みを入れて身を取り出す 2. 甲羅を外し、カニ味噌を確認する 3. エラを取り除き、胴を割って肩の身を取り出す
オスは脚と肩の身が主役です。太い脚はキッチンばさみで殻の側面を切ると、身を崩さずに取り出せます。
メス(セコガニ・香箱ガニなど) 1. 先にふんどしを外し、外子をスプーンでこそげ取る 2. 脚を外す。細い脚は関節で切り、麺棒などで押して身を出す 3. 甲羅を外し、内子とカニ味噌を取り出す 4. エラを取り除き、胴の身をほぐす
メスは、外子を最初に取っておくと、ほかの部分と混ざらずにきれいに分けられます。取り出した身、内子、外子を甲羅に戻して盛り付けると、見た目も楽しめます。詳しいさばき方はカニのさばき方で紹介しています。
通販で雌雄を選ぶときの確認点
通販でカニを買うときは、雌雄の表記と中身をよく確認します。
| 確認する点 | 見るポイント |
|---|---|
| 雌雄の表記 | 「雄」「雌」「オス」「メス」、または呼び名(松葉ガニ、セコガニなど) |
| 1杯の大きさ | 甲羅の幅や重さ。メスは小ぶり |
| 杯数 | メスは数杯セットで売られることが多い |
| 漁期 | メスの生・冷蔵品は年末まで。年明けは冷凍品 |
| 加熱の状態 | 茹でてあるか、生か |
「ズワイガニ姿」とだけ書かれた商品は、オスかメスかが分からないこともあります。内子や外子を楽しみたい場合は、メスであることが明記された商品を選びましょう。
資源を守るための決まり
オスとメスで漁期や扱いが違うのは、カニの資源を守るためです。卵を抱えたメスを獲りすぎると、次の世代のカニが減ってしまいます。そのため、ズワイガニのメスは漁期がオスより短く、毛ガニのメスは獲ること自体が禁止されています。
京都府の解説によると、ズワイガニは甲羅の幅9cm未満のオスの水揚げが禁止されているほか、メスと水ガニについては1回の航海あたりの漁獲量が制限されています。漁期や漁獲量の決まりは地域や年度で変わることがあります。詳しくはカニの解禁日と漁期の仕組みをご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 外子の色が黒っぽいものとオレンジ色のものがあるのはなぜですか?
A. 外子は、産み出されてからの時間によって色が変わるとされています。はじめは明るい橙色で、中で発生が進むと茶色から黒っぽい色になります。色の違いは傷みを示すものではありません。
Q2. 毛ガニのメスはどこで食べられますか?
A. 北海道では規則でメスの毛ガニを獲ることが禁止されているため、流通していません。
Q3. 姿のカニのお腹が見えないときはどう見分けますか?
A. 甲羅の大きさとハサミの大きさが手掛かりになります。ズワイガニなら、大きく重いものはオス、手のひらほどの小さなものはメスのことが多いです。確実に知りたい場合は、お腹のふんどしの形を確認するか、店の人に聞きましょう。
Q4. メスのズワイガニは1人何杯くらい用意すればよいですか?
A. 小ぶりなので、ほかの料理との組み合わせ次第です。一品料理として出すなら1人1杯、メスを主役にするなら1人2〜3杯を用意する家庭もあります。




