タラバガニとは?特徴・ズワイガニとの違い・美味しい食べ方と選び方
タラバガニの名前の由来、ヤドカリの仲間とされる理由、ズワイガニとの味や脚の本数の違い、産地と輸入の実情、ボイルと生冷凍の選び方、焼きガニなどの食べ方、通販で失敗しない確認点を解説します。
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太い脚の身を焼きガニやバター焼きで食べるならタラバガニ、脚をしゃぶしゃぶや鍋で一人ずつ分けるならズワイガニが候補です。タラバガニを買うときは、解凍してそのまま食べるボイル品か、料理に使う生の加熱用かを先に決めます。
タラバガニの基本
タラバガニ(鱈場蟹、学名 Paralithodes camtschaticus)は、太く長い脚が特徴の大型の甲殻類です。英語では red king crab と呼ばれ、贈答用や年末のごちそうとして人気があります。
名前は、魚のタラがとれる漁場(鱈場)と同じような場所でとれることに由来すると言われています。主にオホーツク海やベーリング海、カムチャツカ半島周辺など、北太平洋の冷たい海にすみます。
国立科学博物館の解説では、国内の水揚げは200海里体制への移行によって大きく減り、現在は年間100〜200トン程度にとどまる一方、年間数万トンが主にロシアから輸入されているとされています。つまり、日本の食卓に並ぶタラバガニの多くは輸入品です。商品の原産地表示を見ると、ロシアやアメリカなどと書かれていることが多いはずです。
太い脚を焼くなら焼き方を、ボイル品をそのまま出すならたれを選べます。焼きガニの作り方、ボイルガニのたれとアレンジでは、味付けや作る順番も扱っています。
ヤドカリの仲間とされる理由
タラバガニは見た目こそカニですが、分類上はズワイガニや毛ガニのような「カニ」ではなく、ヤドカリに近いグループ(タラバガニ科)に入ります。国立科学博物館も、タラバガニを「カニではなくヤドカリの仲間」と説明しています。
見分けやすい違いは脚の数です。タラバガニは外から見える脚がハサミを含めて4対(8本)で、5対目の脚は小さく甲羅の内側に折りたたまれています。メスのお腹(腹部)が左右非対称にねじれているのも、ヤドカリに近い特徴とされています。詳しくはタラバガニは「カニ」ではない?で解説しています。
ズワイガニとの違い

タラバガニとズワイガニは、どちらも人気のカニですが、特徴はかなり異なります。
| 比べる点 | タラバガニ | ズワイガニ |
|---|---|---|
| 分類 | ヤドカリに近い仲間 | カニの仲間 |
| 外から見える脚 | 8本(ハサミ2本+脚6本) | 10本(ハサミ2本+脚8本) |
| 脚の太さ | 太く、1本あたりの身が大きい | 細長く、繊維が細かい |
| 食感の印象 | 弾力があり、食べ応えがある | やわらかく、甘みを感じやすい |
| カニ味噌 | 食べる習慣があまりなく、流通も少ない | 甲羅の中の味噌も楽しむ |
| 主な流通 | 輸入品のボイル肩脚、ポーション | 国産・輸入、姿・肩脚・ポーション |
| 向く料理 | 焼きガニ、ボイル、バター焼き | カニしゃぶ、鍋、茹でガニ |
どちらがおいしいかは好みによります。太い脚の身を豪快に食べたいならタラバガニ、繊細な身とカニ味噌も楽しみたいならズワイガニ、と目的で選ぶと満足しやすくなります。種類ごとの比較は全カニ比較でもまとめています。
「肩」と脚の本数
タラバガニは、甲羅を外して脚を半分に分けた「肩(片身)」の状態で売られることがよくあります。タラバガニの1肩には、ハサミ1本と脚3本の合計4本が付いているのが通常です。ズワイガニの1肩はハサミ1本と脚4本の計5本なので、タラバガニの方が1本少なく見えます。これは欠けているわけではなく、体のつくりの違いによるものです。
商品には「1肩」「2肩」「○本セット」「○kg」など、さまざまな単位が使われます。比べるときは、次の点を確認します。
- 内容量が肩数か、重さか、本数か
- 重さは氷の膜(グレーズ)を含むか、除いた正味か
- 太い脚が中心か、細い脚や爪が多いか
- ボイル済みか、生(加熱用)か
同じ1kgでも、殻付きの肩脚と殻をむいたポーションでは、食べられる身の量が大きく違います。量の考え方はカニの総重量と正味重量で詳しく説明しています。
ボイル冷凍と生冷凍の選び方
タラバガニは、茹でてから冷凍したボイル品と、生のまま冷凍した加熱用の両方が流通しています。食べ方から選ぶと迷いません。
| 状態 | 向く食べ方 | 確認点 |
|---|---|---|
| ボイル冷凍 | 解凍してそのまま、軽く温める、サラダ | 再加熱は長く続けず、表示に従う |
| 生冷凍・加熱用 | 鍋、焼きガニ、天ぷら、バター焼き | 中心まで十分に加熱する |
| 生食用 | 生で食べる料理 | 生食用の表示と期限を確認する |
殻の色や商品写真だけで加熱済みかは分かりません。商品表示を確認し、ボイル品を鍋で使う場合は食べる直前に温める程度にすると、身が縮みにくくなります。
おすすめの食べ方
太い脚の身は、シンプルな食べ方ほど持ち味が分かりやすくなります。
- 焼きガニ:生冷凍の脚を半解凍し、殻の片面をはさみで切り取ってから、身を上にして焼く。身の色が変わり、中まで火が通ったら食べ頃。
- ボイルをそのまま:冷蔵庫でゆっくり解凍し、何も付けずに味をみる。冷たすぎると甘みを感じにくいので、食べる少し前に冷蔵庫から出す。
- バター焼き:ボイル済みの身を殻から出し、バターで表面を温める程度に焼く。仕上げにしょうゆを少し。
- 天ぷら・フライ:水気をよくふいた身に衣を付け、短時間で揚げる。
ボイル済みの身を焼いたり揚げたりするときは、中まで温まれば十分です。加熱しすぎると身が硬くなります。
解凍と保存のしかた
冷凍のタラバガニは、袋や容器に入れたまま冷蔵庫でゆっくり解凍するのが基本です。脚が太いので、ズワイガニより解凍に時間がかかります。食べる前日の夜に冷蔵庫へ移すなど、余裕を持って準備します。表面の氷が溶けて出てくる水に身が浸かったままにならないよう、バットに網やキッチンペーパーを敷いておくと、水っぽくなりにくくなります。
焼きガニにする生冷凍の脚は、完全に解凍しきるより、半解凍くらいの方が殻を切りやすく、焼いたときに水分が抜けにくいとされます。表示に解凍方法が書かれている場合は、それに従ってください。
解凍したものは冷蔵で保存し、なるべくその日のうちに食べきります。再び冷凍すると身の水分が抜けて食感が落ちやすいので、食べきれない分は加熱料理に回します。ほぐした身は、チャーハン、グラタン、炊き込みご飯などに使えます。解凍の詳しい手順は冷凍カニの解凍方法を参考にしてください。
贈答用と自宅用の選び分け
タラバガニは贈り物としても人気があります。贈答用と自宅用では、重視するポイントが少し違います。
| 目的 | 選びやすい商品 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 贈答用 | ボイル肩脚、カット済み、化粧箱入り | 到着日の指定、解凍方法の説明書、のしの有無 |
| 自宅でそのまま | ボイル肩脚、ポーション | 正味重量、1本の太さ、送料込みの総額 |
| 焼きガニ・鍋 | 生冷凍の肩脚、ハーフカット | 加熱用の表示、解凍時間 |
| 料理に使う | むき身、ほぐし身 | 内容量、冷凍の状態 |
贈る相手が殻をむくのに慣れていない場合は、カット済みやむき身を選ぶと喜ばれやすくなります。年末は配送が混み合うので、早めに注文して到着日を指定しておくと安心です。ギフトの選び方はカニのギフトの選び方でも紹介しています。
殻のむき方と道具
タラバガニの殻は硬く、トゲもあるので、キッチンばさみを使うと安全です。包丁は殻の上で滑りやすく、手を切るおそれがあります。
- 脚を関節で切り分ける
- 殻のトゲの少ない側(白っぽい面)の両端にはさみを入れる
- ふたを開けるように殻をはがし、身を取り出す
最初から殻に切れ目が入った「カット済み」や「ハーフカット」の商品を選ぶと、手間がかなり減ります。子どもや高齢の家族と食べる場合、贈り物にする場合にも向いています。
よくある質問(FAQ)
Q1. タラバガニのカニ味噌は食べられますか?
A. タラバガニは、甲羅を外して脚(肩)の状態で流通するのが一般的で、カニ味噌を食べる習慣はあまりありません。姿で手に入れても、ズワイガニや毛ガニのようにカニ味噌を主役にする食べ方は一般的ではないと考えておくとよいでしょう。
Q2. タラバガニとアブラガニはどう違いますか?
A. 同じタラバガニ属の別種です。姿であれば、甲羅の中央にある突起の数がタラバガニは6本、アブラガニは4本とされていて、見分けられます。脚だけの商品では外見での判別が難しいため、品名の表示を確認してください。
Q3. タラバガニの旬はいつですか?
A. 流通の多くは輸入の冷凍品で、産地の漁期に獲れたものを冷凍して一年を通して販売しています。冷凍品を選ぶときは、旬より加工状態、冷凍の状態、賞味期限を確認する方が品質の判断に役立ちます。
殻むきの手間を減らしたいなら、タラバガニのむき身・ポーション比較で、フル・ハーフ・ボイルの違いを選べます。






