アブラガニとは?タラバガニとの違いと見分け方
アブラガニとタラバガニの違いを、甲羅の突起の数、流通する形、表示の読み方から整理します。脚だけの商品で種を見分けにくい理由と、買うときに確認したい表示もまとめました。
広告にはアフィリエイトを利用しています。

太い脚を焼きガニやバター焼きで楽しむなら、アブラガニもおすすめです。タラバガニに近い形の脚を、同じ料理に使えます。ボイル肩脚なら解凍してそのまま、生の脚なら鍋や焼きガニに。価格は同じ部位・正味量のタラバガニと比べると選びやすくなります。
姿の見分け方は甲羅中央の突起の数。アブラガニは4本、タラバガニは6本です。脚だけの商品は品名表示で区別します。
アブラガニはタラバガニ科の近縁種

アブラガニ(学名 Paralithodes platypus)は、タラバガニ(Paralithodes camtschaticus)と同じタラバガニ科タラバガニ属に入る甲殻類です。英語では blue king crab と呼ばれ、生きているときの甲羅や脚に青みや紫がかった色が出ることがあります。タラバガニと同じく、分類上はズワイガニのような「カニ」ではなく、ヤドカリに近いグループに位置づけられています。
食べる部分の中心は太い脚と肩の身です。店頭や通販では、姿のまま売られるより、ボイルした肩脚やカット済みの脚、むき身のポーションとして並ぶことが多い種類です。見た目も食べ方もタラバガニに近いため、比較されることが多く、価格も同じ条件のタラバガニより低めに付けられる例がよく見られます。ただし価格はサイズ、年ごとの漁獲量、輸入量、加工状態で変わるので、「何割安い」と一律には言えません。
国内で流通するアブラガニの多くは、ロシアなど北太平洋の産地から輸入されたものです。国内の水揚げは限られており、原産地の表示を見ると輸入品であることが多いはずです。
甲羅の中央にある突起の数で見分ける
姿のあるタラバガニとアブラガニは、甲羅の中央(心域と呼ばれる部分)に並ぶ突起の数で見分けられます。水産研究・教育機構の資料や国立科学博物館の解説では、タラバガニは6本、アブラガニは4本とされています。茹でると両方とも赤くなり、全体の形もよく似ているため、色や大きさより先に甲羅の中央を見るのが確実です。
| 比べる点 | タラバガニ | アブラガニ |
|---|---|---|
| 学名 | Paralithodes camtschaticus | Paralithodes platypus |
| 甲羅中央の突起 | 6本 | 4本 |
| 生きているときの色 | 赤褐色〜暗い紫褐色が多い | 青みや紫みが出ることがある |
| 流通の多い形 | 姿、ボイル肩脚、ポーション | ボイル肩脚、カット脚、ポーション |
| 脚だけの商品での判別 | 外見だけでは難しい | 外見だけでは難しい |
生きている個体の色は見分けの参考になりますが、照明や個体差、加熱で印象が変わります。脚の裏側の色や斑点で見分ける方法が紹介されることもあるものの、加工後の脚だけで購入者が種を確定できるほどの基準ではありません。店頭で比べるなら、まず品名表示を見て、姿がある場合は甲羅中央の突起を数えるという順番にします。
脚だけの商品は表示が頼り
肩から外した脚や、殻をむいたポーションには、突起のある甲羅が付いていません。水産研究・教育機構の資料でも、甲羅を外した加工品は外見での判別が難しく、DNA分析による判別技術が開発されたことが紹介されています。つまり、家庭で脚を眺めて種を決めるのは現実的ではありません。
そのため、購入時に頼りになるのは表示です。容器包装に入った生鮮水産物や加工品には、名称、原材料名、原産地(または原料原産地)、内容量などの表示ルールがあります。通販なら商品ページの名称と、届いた商品のラベルが一致しているかを確認します。
- 品名が「アブラガニ」「タラバガニ」のどちらか明記されているか
- 原産地・原料原産地が書かれているか
- 加熱済み(ボイル)か、生(加熱用)か
- 内容量が氷の膜(グレーズ)を含む重さか、除いた重さか
「タラバ風」「王様ガニ」のように種名がはっきりしない商品名には注意が必要です。種名が明記されていない場合は、注文前に販売者へ問い合わせて、回答を控えておくと後で確認しやすくなります。
アブラガニという食材と、誤表示の問題は別
アブラガニはタラバガニの偽物ではなく、食用として流通する別種です。過去には両種を取り違えさせる表示が問題になりましたが、現在の買い物で見るべきなのは商品名に種名が明記されているかどうかです。
脚の殻を切るカニばさみと、関節の身を取るフォークがあれば食べやすくなります。ぽん酢は別添えにし、まず身の味を確かめてから使うと調整できます。
味と食感は、比べ方の条件で変わる
アブラガニとタラバガニの味に、どちらが必ず上という順位は付けられません。脚を焼く、鍋に入れるなど同じ料理で食べるなら、同じ加工状態・近いサイズの商品を並べ、表示重量と送料込みの価格で比べて選べます。タラバガニという種名やブランドを贈答で指定したいときは、価格差だけでアブラガニへ置き換えない方がよいでしょう。
太い脚を使う料理は両方に合います。ボイル済みは温める程度に、生の加熱用は商品の指定に沿って中心まで火を通してください。
料理別の使い分け
太い脚の身は、どの料理でも「火を入れすぎない」ことが共通のポイントです。ボイル済みか生かで扱いが変わるので、料理を決める前にパッケージの加熱の有無を確認します。
| 料理 | ボイル済みの場合 | 生(加熱用)の場合 |
|---|---|---|
| そのまま | 解凍して食べられる。冷たすぎると甘みを感じにくい | 不可。中心まで加熱してから食べる |
| 焼きガニ | 殻ごと軽く温める程度。焼きすぎると身が硬くなる | 殻を上にして焼き、身の色が変わるまで加熱 |
| 鍋 | 食べる直前に入れ、温まったら引き上げる | 野菜と一緒に煮て、身に火が通れば食べられる |
| 天ぷら・フライ | 水気をよく拭き、短時間で揚げる | 下味を付け、中まで火が通る厚さに切る |
殻の太い部分は、キッチンばさみで縦に切り込みを入れておくと身を取り出しやすくなります。硬い殻で手を切りやすいので、軍手や布巾を使うと安全です。食べきれない分は、解凍後に再び冷凍するより、加熱してその日のうちにほぐし身として使い切る方が品質を保ちやすくなります。
カニ味噌が流通しにくい理由
タラバガニやアブラガニは、ズワイガニや毛ガニのようにカニ味噌を楽しむ食べ方があまり一般的ではありません。ボイルした肩脚やポーションの形で流通することが多く、甲羅ごと届く商品自体が少ないためです。産地や加工の段階で胴を外して脚を中心に出荷する流れが定着しており、家庭でカニ味噌を目当てに選ぶ種類ではないと考えておくのが現実的です。
カニ味噌を楽しみたいなら、毛ガニやズワイガニの姿を選ぶ方が目的に合います。種類ごとの向き不向きは、全カニ比較で横並びにしています。
買う前・届いた後のチェック
アブラガニの商品で迷ったときに見るポイントを、購入前と到着後に分けておきます。
| タイミング | 確認すること |
|---|---|
| 注文前 | 種名、原産地、ボイルか生か、内容量が正味か総重量か、送料込みの総額 |
| 注文時 | 商品ページの画面を保存しておく(名称・内容量・発送日) |
| 到着時 | ラベルの種名と注文画面が一致するか、冷凍状態が保たれているか |
| 食べる前 | 表示どおりの解凍方法、解凍後の消費期限 |
脚の身はとても似ているため、届いてから種を確かめる方法はほとんどありません。だからこそ注文前の表示確認が大切です。表示と中身が違うと感じたときは、ラベルと箱を捨てずに販売者へ連絡します。
よくある質問(FAQ)
Q1. アブラガニはタラバガニの偽物ですか?
A. 違います。アブラガニはタラバガニと同じ属の別種で、それ自体が食用ガニです。問題になるのは、アブラガニをタラバガニとして表示する場合です。種名が正しく表示されていれば、目的と予算に合わせて選べます。
Q2. 脚だけ見て種を見分けられますか?
A. 一般の購入者が確実に見分けるのは難しいと考えた方がよいでしょう。姿なら甲羅中央の突起(タラバガニ6本、アブラガニ4本)で見分けられますが、脚だけの商品は表示を確認するのが現実的です。
Q3. 旬はいつですか?
A. 輸入品が中心で、流通する多くは冷凍品です。漁期は産地と年度の規制で変わるため、国内で買うときは「旬」より、冷凍状態と加工日、賞味期限を確認する方が品質の判断に役立ちます。


