紅ズワイガニとは?ズワイガニとの違いと選び方
紅ズワイガニ(ベニズワイガニ)とズワイガニの違いを、すむ深さ、漁のしかた、色、身の特徴、流通する形から整理します。香住ガニなど地域名で売られる商品の読み方もまとめました。
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カニ飯やグラタンを作るなら、紅ズワイガニのボイルほぐし身がおすすめです。殻をむかずに料理へ加えられ、やわらかな身を全体に混ぜ込めます。姿を楽しみたいなら、冷蔵の浜茹で品と冷凍品を分けて選びましょう。
紅ズワイは本ズワイとは別の種類で、深い海にすみ、生きているときから赤いカニです。冷凍品は解凍液で料理が薄まらないよう、身の水気を軽く取ってから使います。
紅ズワイガニはズワイガニと同じ仲間の別種

紅ズワイガニ(ベニズワイガニ、学名 Chionoecetes japonicus)は、ズワイガニ(Chionoecetes opilio)と同じズワイガニ属のカニです。名前が似ていて体つきもよく似ていますが、別の種として扱われます。日本海では、ズワイガニより深い海にすみ分けていて、漁のしかたや漁期も異なります。
売り場では「紅ズワイ」「ベニズワイ」と表示されるほか、兵庫県香美町の「香住ガニ」のように水揚げ港の名前を冠した商品もあります。ズワイガニの地域ブランド(松葉ガニ、越前がになど)と名前が並ぶため混同されやすいのですが、ブランド名だけでなく、どの種を指しているかを商品説明で確かめると比較がしやすくなります。
すむ深さ・漁法・漁期の違い
鳥取県の解説では、日本海のベニズワイガニ漁はかごを使い、9月から6月までの間、水深800mより深い海域で行われるとされています。地元では「紅がに(ベニガニ)」とも呼ばれています。一方、京都府の解説によると、日本海のズワイガニは主に水深約200〜400mの大陸棚の縁にすみ、沖合底びき網などで漁獲されます。
| 比べる点 | 紅ズワイガニ | ズワイガニ |
|---|---|---|
| 主な漁場の深さ(日本海) | 水深800mより深い海域 | 約200〜400m |
| 主な漁法 | かにかご漁 | 沖合底びき網・小型底びき網 |
| 漁期の例 | 鳥取県境港:9月〜翌6月 | 日本海西部:オス11月6日〜3月20日 |
| 生きているときの色 | 全体が赤〜橙色 | 背側は褐色、腹側は白っぽい |
| 身の印象 | 水分が多く、やわらかいと言われる | 身が締まり、弾力があると言われる |
| 流通の多い形 | ボイル姿、肩脚、むき身、加工原料 | 生・ボイルの姿、肩脚、ポーション |
漁期は地域と年度の規制で決まります。表の日付は代表的な例で、ほかの海域では異なることがあります。境港は紅ズワイガニの水揚げが全国で最も多い港として知られ、鳥取県の資料でも主要産地として紹介されています。
生きているときから赤い
ズワイガニやタラバガニは、生きているときは褐色や暗い色で、茹でると赤くなります。これは殻に含まれる赤い色素(アスタキサンチン)がたんぱく質と結びついて別の色に見えている状態から、加熱でたんぱく質が変性して赤色が表に出るためです。
紅ズワイガニは、水揚げされた時点で全体が赤から橙色に見えます。深い海では赤い光が届きにくいため、赤い体は周囲に溶け込みやすいと説明されることがあり、深海の甲殻類や魚に赤い種類が多い理由として挙げられます。茹でると赤みはさらに鮮やかになりますが、腹側の色はズワイガニほど白くならないことが多く、見分けの手掛かりの一つになります。ただし写真の色は照明で変わるので、色だけで種を決めないようにします。
身の特徴と向く食べ方
紅ズワイガニは、身がみずみずしく甘みがはっきりしていると紹介されることが多い一方、ズワイガニより水分が多く、身がやわらかいと感じる人もいます。殻は比較的薄く、手で割りやすいのも特徴です。身入りは個体の脱皮からの期間や漁期内の時期でも変わるため、同じ種でも商品ごとに差があります。
向く食べ方の例をまとめます。
- ボイル品をそのまま:解凍してそのまま。冷えすぎていると甘みを感じにくいので、食べる少し前に冷蔵庫から出します。
- 甲羅焼き:カニ味噌は水分が多めなので、甲羅に身と味噌を入れて軽く焼き、水分を少し飛ばすと味がまとまりやすくなります。
- 加工・洋食:ほぐし身はコロッケ、グラタン、かに玉、炊き込みご飯などに使いやすく、缶詰や加工品の原料としても広く使われています。鳥取県によると、境港には加工施設が集まり、棒肉、爪肉、かにみそなどの冷凍食品が多く作られ、殻はキチン・キトサンの原料にも利用されています。
ボイル済みの商品は、再び長く加熱すると身が縮み、水分が抜けます。温めるなら短時間にとどめ、鍋に入れる場合も最後に加えて温まったら引き上げます。
価格がズワイガニより手ごろなことが多い理由
同じ大きさ・同じ加工状態で比べると、紅ズワイガニはズワイガニより安く売られていることが多くあります。背景として、かにかご漁で漁期が長く、まとまった量が水揚げされること、加工原料としての流通が多いことなどが挙げられます。味が劣るから安いという単純な話ではなく、流通量と用途の違いが大きいと考えるのが自然です。
ただし、港の名前を付けたブランド品や、選別の厳しい大型の個体は、価格が高めに設定されることもあります。価格を比べるときは、種名だけでなく、姿か脚か、ボイルか生か、正味重量がどれだけかを同じ条件にそろえます。
地域名で売られる紅ズワイガニ
紅ズワイガニは、水揚げ港の名前を冠して売られることがあります。代表的なのが兵庫県香美町の香住漁港に水揚げされる「香住ガニ」で、香美町の観光情報では漁期を9月1日から翌年5月31日までと案内しています。鳥取県境港の紅ズワイガニも、地元の飲食店や市場で漁期中に広く扱われています。
地域名の付いた商品を選ぶときは、次の点を確認します。
- 商品名や説明に「紅ズワイガニ(ベニズワイガニ)」と種名が書かれているか
- 水揚げ港や加工地がどこか
- タグや証明が付く商品か、付かない商品か
- ボイルか生か、冷凍かチルドか
地域名だけでズワイガニと紅ズワイガニを判断すると、期待と違う商品が届くことがあります。旅行先で食べるときも、メニューの種名を見ておくと、ほかの産地と比べるときの手掛かりになります。
初めて買うときの選び方
食べ方で形を決めると、紅ズワイガニの特徴を活かせます。
| 食べる場面 | 選びやすい商品 | 理由 |
|---|---|---|
| カニ飯、グラタン、かに玉 | ボイルほぐし身 | 殻をむかず、料理へ混ぜやすい |
| 姿を食卓に出して食べる | ボイル姿 | 脚と甲羅の身を自分で分けられる |
| 解凍の手間を減らしてそのまま食べる | 冷蔵の浜茹で品 | 食べる日が期限内で、受け取りが確実な場合に向く |
| 献立の日程を決めにくい | 冷凍品 | 保存・解凍方法を商品表示に沿って調整できる |
冷凍品は解凍で水分が出ることがあります。解凍水に身を浸したままにせず、ほぐし身は水気を切ってから料理へ加えます。姿や肩脚を選ぶ場合は、グレーズを含む総重量か、正味重量かも確認してください。
ズワイガニと並べたときの見分け方
姿の商品で紅ズワイガニとズワイガニを比べるときは、色以外の手掛かりも合わせて見ます。どれも必ず的な基準ではありませんが、複数が重なれば判断の助けになります。
- 腹側の色:茹でたズワイガニの腹側は白っぽくなりやすいのに対し、紅ズワイガニは赤みや橙色が残ることが多い
- 甲羅の形:紅ズワイガニは甲羅がやや丸みを帯び、全体に殻が薄いと感じられることがある
- 脚の色:紅ズワイガニは脚の付け根や裏側まで赤みが続くことが多い
- 表示:最終的には品名の種名を確認する
加工品や脚だけの商品では、これらの特徴も分かりにくくなります。通販の写真は盛り付け例のことも多いので、写真より品名を優先してください。
届いてからの解凍と保存
紅ズワイガニは水分が多いと言われる分、解凍の仕方で食感が変わりやすい種類です。冷凍のボイル品なら、袋のまま冷蔵庫でゆっくり解凍し、出てきた水分に身が長く浸からないよう、バットに網を敷いたり、キッチンペーパーで受けたりします。急ぐ場合でも常温に長く置くのは避け、表示された解凍方法に従います。
解凍後は冷蔵で保存し、表示された期限内でなるべく早く食べきります。一度解凍したものを再び冷凍すると、身から水分が抜けてさらに食感が落ちやすくなります。食べきれない分は、身をほぐして加熱料理に回す方が扱いやすいでしょう。詳しくは冷凍カニの解凍方法と食べきれないカニの保存で説明しています。
チルド(冷蔵)で届くボイル品は、冷凍品より日持ちが短いのが一般的です。受け取った日を基準に、表示の期限と食べる予定を照らし合わせてから注文すると、慌てずに済みます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 紅ズワイガニとズワイガニは交雑しますか?
A. 日本海では両種のすむ深さが重なる海域があり、中間的な特徴を持つ個体が見つかることが知られています。市場で目にする機会は多くないので、購入時は表示の種名で判断するのが現実的です。
Q2. 紅ズワイガニのカニ味噌は食べられますか?
A. 食べられます。水分が多くゆるい状態のことが多いので、甲羅ごと軽く焼いたり、ほぐし身と和えたりすると食べやすくなります。生の場合は中心まで十分に加熱します。
Q3. 旬はいつですか?
A. 漁期は産地ごとに決まっており、境港では9月から翌年6月、香住では9月から翌年5月が例として示されています。漁期内でも身入りには差があるため、購入時は加工日や状態も合わせて確認します。






